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エラー発生!? AEDが使いにくい人・状態とは?

公開日:2024/05/15   最終更新日:2024/05/17

AEDエラー

AED(自動体外式除細動器)は命を救う重要なツールですが、使いにくいと感じる人や状況があります。この記事では、AEDを適切に使用できない可能性がある人々や、使用が困難になるシチュエーションについてくわしく解説します。正しい知識と対応策を身につけ、安全かつ効果的にAEDを活用しましょう。

体毛が濃い人はAEDが使えない?

体毛が濃い人でとくに胸毛が濃い場合は、AEDの使用の際注意が必要です。胸毛が濃いと、電極パッドが肌に密着せず、電気ショックの効果が十分に得られない可能性があります。

また、非常に稀ですが、スパークによって着火するリスクもあります。したがって、胸毛が濃い場合は、電極パッドを貼る前に除毛することが望ましいです。

じつはこうした状況に対応するため、AEDのキャリングケースのポケット部分にレスキューセットがあり、その中に除毛用のカミソリが入っていることがほとんどです。

除毛の際には、AEDのレスキューセットに付属していることが多いカミソリを利用してください。日本人で除毛が必要なほど胸毛が濃い人は少ないですが、もし胸毛が濃いと感じた場合は、まずレスキューセットの中を探してみましょう。

都市伝説的な話として、胸毛が濃い人には予備用の電極パッドで胸毛をむしり取るという方法がネット上で流行したことがありますが、実際には電極パッドの粘着力は除毛できるほど強くありません。

また、予備用の電極パッドが付属していない場合も少なからずあります。予備用の電極パッドがない場合に、唯一の電極パッドで除毛を試みると、粘着力が落ちてしまい、電気ショックが効果的に行えなくなるリスクがあります。そのため、予備の電極パッドがない状態で電極パッドで除毛しようとすることは絶対に避けるべきです。

AEDは体が濡れていると使えない!

傷病者の胸が濡れていると、電気が水の表面を通じて流れてしまい、心臓に十分なショックが届かない可能性があります。そのため、傷病者の胸が濡れている場合は、乾いた布やタオルやハンカチで胸を拭き、かわいた状態を作りましょう。

もし布がなければ、AED内のレスキューセットの中を確認し、水を拭き取るための布を探してみてください。よくある疑問として「濡れた床の上や、氷や雪の上に倒れている場合にAEDを使用しても大丈夫か?」がありますが、実際には地面が濡れていても周囲の人は感電しません。

重要なのは、電極パッドが直接水に触れないことです。電極パッドを正しく貼り付け、周囲の安全を確認して使用しましょう。ただし、傷病者が水に浸かっている場合は、水から引き出す必要があります。

水中では、電気ショックの効果がさらに減少するだけではなく、周囲の人々にも感電の危険性があります。そのため、できるだけ早く傷病者を水から引き上げ、かわいた場所に移動させてからAEDを使用してください。

ペースメーカー使用者へのAED使用は注意!

ペースメーカーは、心拍が必要数より少なくなった際に心筋に電気刺激を与え、心収縮を促す医療機器です。一方、ICDは心停止状態を感知すると、心臓に直接電気ショックを与えることで正常な心拍を再開させる機器です。

これらの機器は、通常、心臓の上部の皮膚の下に5cmほどの楕円形の形状で埋め込まれています。このようなペースメーカーやICDを装着している人に対して、AEDを使用する際はとくに注意が必要です。

これらの機器が皮膚の下に埋め込まれている場合、胸に硬いこぶのような出っ張りが見えることがあります。この出っ張りを避けて電極パッドを貼り付けることが重要です。

機器のある部分に電極パッドを直接貼り付けると、電気ショックがペースメーカーやICDに干渉し、機器を損傷する危険性があります。また、正しい心臓の位置に電気ショックが届かない場合もあります。

そのため、電極パッドは機器の出っ張りを避けて貼り付け、AEDが正常に作動できるようにしましょう。また、AEDの電気ショックがペースメーカーやICDを壊してしまうのではないかと不安になるかもしれませんが、何より救命が最優先です。

AEDを使用しないままでは命を救うことができません。AEDの電気ショックが必要かどうかは、AEDが自動的に判断するので、無駄なショックを与える心配はありません。

反対に、AEDがショックを必要と判断した場合は、ペースメーカーやICDが十分なサポートを提供できなかった可能性が高いので、AEDによる電気ショックが唯一の救命手段となります。AEDが電気ショックを指示した場合は、迷わずショックを実行してください。

貼り付け部付近に金属や貼り薬がある

電極パッドを貼る部分に湿布薬や鎮痛剤、ホルモン剤、降圧剤などの貼り薬がある場合、そのままAEDを使用するのは避けるべきです。貼り薬を貼ったままでは、電気ショックの効果が弱まったり、やけどを引き起こすリスクがあります。

そのため、貼り薬を剥がすこと、レスキューセット内の布で患部の薬剤をふき取ってからAEDを使用しましょう。また、胸の近くに金属製品がある場合も電気ショックの効果が不十分になるだけではなく、スパークの危険性もあります。

ネックレスやペンダントなどは取り外したほうがよいでしょう。取り外しが難しいときは、レスキューセットに付属しているハサミを利用して金属製品を切断し、取り外してください。

ただし、もっとも重要なのは早急に除細動を行うことです。金属が電極パッドに接触するのは絶対に避ける必要がありますが、接触していない場合は、時間をかけて無理に取り外す必要はありません。

まとめ

AEDは、正しい手順を踏めば非常に効果的な救命装置です。もし、AEDを使用しにくいシーンであっても、AEDの中にはレスキューセットが入っていることがほとんどです。万一に備えてカミソリや布、金属製品を断つハサミなどの道具が入っています。こうした道具を適切に使用するためにも、AEDの取扱説明書や救急時の手順をよく確認し、いざという時に迅速に対応できるように準備しておくことが大切です。これらの対処を迅速かつ正確に行うことで、AEDの効果を最大限に引き出し、救命の成功率を高めることができます。

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