AEDを点検する際に意識するべきポイントについて解説!
突然の心停止にも対応できるAEDは、医療従事者だけでなく一般の人でも使える医療機器として、医療機関のみならず会社や公共施設など街のあらゆる場所に設置されるようになりました。そこで、今回はAEDの導入方法や設置時・点検時の注意点について詳しく解説します。
AEDの導入方法ごとの特徴
ここでは、AEDの主な導入方法とそれぞれの特徴についてご紹介します。
短期レンタル
短期レンタルはマラソン大会やイベント会場など、常設設置ができない場所で一時的に使用したい場合に多く用いられる導入方法です。レンタル期間は1日から、数か月、1年など自由に選択することが可能です。
長期レンタル
長期レンタルは3~5年など長期にわたってAEDを常設したい時におすすめです。短期レンタルと同様にレンタルの期間設定を自由に行うことができますが、期間を延長する際にはAEDの耐用年数までとなっています。また、レンタル業者によって違いがありますが、消耗品の交換サービスも付属していることが多いです。
リース
リースとは、企業(購入者)が欲しい物品を販売会社からリース会社が購入し、企業とリース会社の間で賃貸契約を行い導入する仕組みとなっています。リースは初期費用がほとんど必要なく、新品のAEDを使用することが可能です。
期間の延長についてはAEDの耐用年数まで可能ですが、途中で契約を解除できず、どうしても解除したい場合には違約金が発生するので注意が必要です。なお、リース契約は法人、団体、個人事業主までが一般で、一個人が契約を結ぶことができません。
AEDを設置する際の注意点
AEDを設置する際には、ただ設置するだけでなくさまざまなことに気を付ける必要があります。そこで、AED設置時に注意すべきポイントについて解説します。
AEDの設置は義務付けられている?
現在、法律でAEDを設置する義務が課せられている施設や企業は存在しません。しかし、特定の施設にAEDの設置を必要とする救急条例を設けている自治体や、法律で義務付けられてはいないものの、設置を推奨する場所は具体的に挙げられています。
基本的には人が集まるイベント会場やスポーツ大会、商業施設などに設置するのが望ましいです。
AEDの設置箇所
AEDを設置する場所については、先ほど述べたように基本的には多くの人々が集まる場所が望ましいですが、設置箇所についても考慮する必要があります。AEDの設置箇所が心停止を起こした人から離れていた場合、AEDを取りに行って戻ってくるまでに時間を要してしまい、その分、救助にかかる時間も長くなってしまう可能性があります。
設置箇所の目安としては「人目に付きやすい場所」や「エレベーター・階段付近」など、どこで人が倒れてもすぐに取りに行ける設置箇所を検討するとよいでしょう。なお、厚生労働省が公開している「AEDの適正配置に関するガイドライン」によると「心停止から5分以内にAEDによる電気ショックが可能な場所」への配置が望ましいとされています。
AED設置が推奨されている場所・施設
厚生労働省の「AEDの適正配置に関するガイドライン」では「AED設置を推奨する施設」を公開しています。AEDの設置が推奨されている場所・施設の具体例については以下の通りです。
・駅・空港・長距離バスターミナル・高速道度サービスエリア・道の駅
・旅客機、長距離列車・長距離旅客船等の長距離輸送機関
・スポーツジムおよびスポーツ関連施設
・デパート・スーパーマーケット・飲食店などを含む大規模な商業施設
・多数集客施設
・市役所、公民館、市民会館等の比較的規模の大きな公共施設
・交番、消防署等の人口密集地域にある公共施設
・高齢者のための介護・福祉施設
・学校(幼稚園、小学校、中学校、高等学校、大学、専門学校等)
・会社、工場、作業場
・遊興施設
・大規模なホテル・コンベンションセンター
AEDを点検する際に意識するべきポイント
AEDは導入したらそのままメンテナンスをしなくともよいというわけではありません。AEDの点検では、日常的に行う「日常点検」と、決まった時期に行う「定期点検」によって、いつでも救命措置が行える状態を保っておく必要があります。
点検は継続的に
緊急時にAEDが不具合を起こし救命措置ができないというような事態を避けるためには、継続かつ定期的に点検を行うことが大切です。点検を行った際には必ずその記録を残し、点検の担当者が交代する時にも、AEDの状況を伝え合い確実な引継ぎを行いましょう。
サポートサービスを活用する
AEDの販売会社が点検に関するサポートサービスを実施している場合があるので、継続的な点検が困難な場合には、そちらを活用して適切なメンテナンスを行いましょう。
耐用年数をチェックする
AEDの本体には耐用期間が設けられており、付属する消耗品にも使用期間があります。これらの確認を常に行い、期間が過ぎている場合には速やかに交換をするようにしましょう。
まとめ
AEDは、万一の状況に備え、いつでも救命措置ができるよう常日頃から万全の状態に整えておくことが大切です。「導入したから大丈夫」ではなく、設置箇所の確認や定期的な点検などをしっかりと行い、いつでも使用できるように備えておきましょう!