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大量出血時にAEDを使ってもいいの?止血方法もあわせて解説!

公開日:2024/10/15  

AED 大量出血時

血液を大量に失うと命の危険があります。身体中に酸素を運ぶ血液がなくなってしまうので、体内の重要臓器を動かしたり細胞の機能を正常に維持できなくなるのです。しかし、大量出血をしている傷病者にAEDを使ってもよいのでしょうか?本記事では、出血のリスクや止血方法も解説します。

体内の血液の20%以上を一気に失うと危険!

血液は、赤血球、白血球、血球(血小板の細胞成分)、血漿(プラズマ)のおもに4つから構成されています。これらの働きによって、身体中に酸素を送り届けるとともに、各組織でできた炭酸ガスを肺に持ち帰ったり、細菌やウイルスから体を守るなど、さまざまな役割を果たしているのです。

人体を流れている血液は、体重の約7〜8%を占めていて、性別の違いなどで個人差はあるものの、日本人成人の血液量は、平均で約80mL/kgあるといわれています。たとえば、体重60kgの人の場合、約5Lの血液が流れていることになります。

しかし、ケガで一度に大量の血液を失うと非常に危険です。一般的には体内の血液の20%が急速に失われると、出血性ショックと呼ばれる危険な状態になり、さらに30%を失うと命の危険があるといわれています。

出血中の人に胸骨圧迫をしてよいのか

心停止状態は生命をおびやかす緊急事態です。心停止状態の人を救うには、迅速な胸骨圧迫とAED(自動体外式除細動器)による救護活動を行わなければなりません。

しかし、傷病者が心停止と同時に出血している場合、どう対応すべきか迷う人も多いでしょう。ここでは、出血中の人に胸骨圧迫を行うべきかどうかについて詳しく解説します。

胸骨圧迫と出血の関係

まず、心停止状態とは、心臓がポンプ機能を失い、血液を全身に送り出せなくなっている状態を指します。数分以内に適切な処置が行われなければ、脳などの重要な臓器が酸素不足になり、死亡のリスクが極めて高くなります。胸骨圧迫(心臓マッサージ)は、この血液循環を一時的に補うために行われるもので、救命のための第一歩といえます。

一方で、心停止と同様に出血も命をおびやかす緊急事態です。大量出血は血圧の低下やショック状態を引き起こし、最終的には臓器不全を引き起こす可能性があります。出血が確認された場合、圧迫止血が理想的な対応ですが、心停止の際には、何よりもまず血液を脳や全身に送ることが優先されるべきです。

また、出血状態の傷病者に対し胸骨圧迫を行うと、出血部位からの出血が一時的に増加する可能性があります。この点について心配するのは当然ですが、出血による危険性よりも、心停止による生命の危機の方がはるかに高いため、やはり胸骨圧迫を優先すべきでしょう。

大量出血時にAEDは使える?

AEDは心停止の原因を解析し、適切な処置を指示してくれる装置です。重篤な不整脈の場合、電気ショックを与えて心臓のリズムを正常に戻すことが可能です。

一方、心臓が完全に停止している場合、AEDは電気ショック不要と判断し、胸骨圧迫を続けるよう指示してくれます。つまり、AEDは心停止の種類を判断し、適切な処置をガイドしてくれるため、出血の有無に関わらず使用することが重要です。

また、出血している場所が明確に分かるなら、その部分を圧迫して止血することが望ましいです。出血量を減らし、血液の損失を最小限に抑えられます。

その後、ただちに胸骨圧迫を開始し、AEDを使用する準備をします。ひとりで対応する場合、止血と胸骨圧迫を同時に行うのは難しいため、胸骨圧迫を優先しましょう。

すぐにできる止血方法とは?

止血は、外傷による出血を迅速に止めるために不可欠です。ここでは、もっとも一般的な直接圧迫止血法を中心に、間接圧迫止血法、そして緊急時に使用する緊縛止血法について詳しく説明します。

直接圧迫止血法

直接圧迫止血法は、もっとも基本的かつ効果的な止血方法です。この方法は、滅菌ガーゼや清潔なハンカチを直接傷口に当て、強く圧迫することで出血を止めます。

静脈性出血や毛細血管からの出血は、この方法でほとんど止血することが可能です。応急処置としてもっとも手軽で、特別な技術や道具を必要としないため、誰でもすぐに実施できます。

間接圧迫止血法

間接圧迫止血法は、水道ホースを踏んで水を止める原理と同じく、血管を圧迫して出血を止める方法です。この方法では、傷口から心臓に近い動脈を骨に向かって指で押さえ、血液の流れを止めることで出血を抑えます。

ただし、出血部位に応じて適切な動脈を選び圧迫する必要があるため、基本的な人体の解剖知識が求められます。各出血部位に効果的な圧迫ポイントを覚えておくことが重要です。

たとえば、腋窩動脈は腋より手側の出血に対応しており、この場合、腋の下を押さえると効果的です。上腕動脈は肘より手側の出血に対応しており、力こぶの下を押さえることで出血を抑えます。

また、手首より先の出血には橈骨動脈と尺骨動脈を圧迫することが有効で、親指側と小指側の動脈を押さえるとよいでしょう。指からの出血に対しては側指動脈を圧迫する方法が効果的で、指の両脇を押さえることで出血を止めることができます。

このように、出血部位ごとに適切な動脈を選び圧迫することで、効果的に出血を止めることができます。

緊縛止血法

緊縛止血法とは、手足の大出血や切断などの非常に重篤な場合に使用する最終手段です。これは、出血している傷口より心臓に近い動脈を幅3センチ以上の止血帯で強く縛ることで行います。この方法は非常に効果的ですが、正しく行わないと血管や神経を損傷するリスクがあるため、慎重に行いましょう。

また、針金や細いビニール紐は使ってはいけません。長時間の緊縛は組織の壊死や神経麻痺を引き起こす可能性があるため、止血を開始したら時間を明確に記録し、30〜60分ごとに一度緩めて血流を再開させます。傷口は心臓より高く保って安静にさせたうえで、速やかに医療機関へ搬送しましょう。

まとめ

心停止の際には、脳や全身に血液を送ることが最優先されます。出血があったとしても、まずは胸骨圧迫を行い、可能であれば、圧迫止血を試みることが望ましいです。

また、AEDを使用することで、心停止の原因に応じた適切な対応が可能となります。出血中の人に対しても、ためらわずに胸骨圧迫とAEDを実施することで、救命の可能性を高くすることが可能です。

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