死戦期呼吸とは?AEDを活用した救命手順と注意点を解説!
今回の記事では、死戦期呼吸とよばれる、命に関わる危険な状態について解説します。日本では、心臓が原因の心停止は非常に多く、1日に200人前後が心停止で亡くなっています。突然そのような現場に出くわした際、慌てずに対処するためにも、必要最低限の知識を備えておきましょう。
呼吸をしていても危険?死戦期呼吸とは
死線期呼吸は、急に心停止した人などに起こり得る、危険な状態です。呼吸と表現されてはいますが、実際には正しく呼吸できておらず、肺に空気を送り込めていない状態です。
死線期呼吸の状態で放置していると、心停止状態が長引いてしまい、そのまま亡くなってしまう危険性があります。死線期呼吸に陥った人は、顎を開閉していたり、小鼻の部分が動いていたりする場合があります。
そのほか、喘ぐように見える人も居て、症状は一定ではありません。以上の点から、呼吸と間違えられるケースがあるのですが、正しい呼吸ではないため、胸は正しく動いていません。
死線期呼吸の場合は、意識不明に陥っているのが一般的で、すぐに心肺蘇生の手順を踏む必要があります。死線期呼吸の判断は、医療従事者以外の人にとって難しく、緊迫した状況も考慮すると、初見で見分けることはなかなか出来ません。
そのため、突然倒れた人を見つけた際は、まず死線期呼吸ではないか疑うようにしましょう。人によって特徴は異なりますが、多くの人の場合、しゃっくりをしているような、途切れ途切れな動作が見られます。
また死線期呼吸は危険な状態ではありますが、すぐに心肺蘇生を施すことができれば、命を救える可能性は十分にあります。
何も対処せず、放置する処置がもっとも危険です。死線期呼吸の可能性が少しでも疑われる場合は、救急隊が到着する前に、できる限りの心肺蘇生をする必要があります。
死戦期呼吸か分からないときの対処法
前項でも簡単に説明しましたが、死線期呼吸かどうかの判断に迷った場合も、すぐに心肺蘇生をしなければなりません。
万が一、死線期呼吸ではなかった人に、胸骨圧迫をしたとしても、そのあとに障害が残る可能性は極めて低いと言えます。それよりも、死線期呼吸の人に対して、胸骨圧迫を怠ったことによる死亡の危険性を考慮しましょう。
通常、救急隊が到着するまでは10分前後かかります。心肺停止時の対処は迅速に行う必要があり、第一発見者の対処が重要になります。脳は酸素が無ければ、4分程度しか活動できません。
救急隊が到着してからの対処では、助からない場合が多いのです。一般的に心肺停止状態に陥ってから、1分以内に救命措置ができていれば、9割以上の人は助かっています。このように酸素なしで脳が活動できる時間は、限られています。
以上の理由から、死線期呼吸かどうか判断に迷って、対処が遅れる事態は防がなければなりません。
交通状況によっては、救急隊が遅れる可能性もあるため、第一発見者の素早い対処が、救命措置において重要になるのです。しかしながら、いざ心肺停止と思われる人を前にしたとき、多くの人は率先して体が動かないと思われます。
そんななか、多少でも知識を備えている人間が居れば、周りの人たちに行動を促せるかもしれません。日々電車で通勤している人は、このような場面に遭遇する可能性も十分に考えられます。
傍観者にならないよう素早い措置を心がけていただければと思います。重要なのは、少しでも判断に迷ったら胸骨圧迫に取りかかる必要がある点です。
死戦期呼吸時に必要なAEDの操作手順と注意点
最後に、実際に死線期呼吸時に必要なAEDの操作手順について紹介します。基本的に操作手順は、AED起動時の操作ガイダンスを聞き漏らさないようにしていれば、問題ありませんので安心してください。
AEDの準備が完了したら、カバーを開けて、本体を取り出しましょう。そして本体にある起動ボタンを押します。そのあとは、操作ガイダンスに従って進めていきましょう。いざ本番で、戸惑わないように、概要を説明します。
まずは、AEDのパッドを胸部に装着していきます。パッドの装着が完了すると、AEDが測定を始めます。測定が終わったあとは、必要に応じて電気ショックが起動します。測定した結果、心電図に問題が無ければ電気ショックは起動しませんので、安心してください。
電気ショックの必要がなければ、胸骨圧迫をすることになります。救急隊が到着するまで行いましょう。目安として、10分前後で救急隊が到着します。
AED使用時の注意点として、呼吸が戻ったからと言って、電源を落としたり、電極パッドを外したりはせず、救急隊の到着を待つようにしましょう。また、電気ショックを使用するときは、傷病者に接触しないよう、十分に注意して下さい。
まとめ
今回の記事では、心停止した人に起こり得る、死線期呼吸について解説しました。救命措置は、どれだけ迅速に対処できるかが重要です。脳はデリケートな器官で、数分の遅れが命取りになります。救急隊も急いで駆けつけてくれますが、交通状況によって到着が遅れることも想定されます。第一発見者の対処次第で、救命の可能性が大きく左右するので、長い間迷うことがないよう、少しでも死線期呼吸の疑いがあれば、すぐに心肺蘇生に取りかかりましょう。