AEDレンタルの価格相場はどれくらい?価格による機能の違い
日本でも普及が広まってきたAED(自動体外式除細動器)ですが、現在では公共施設から人が集まる商業施設などにまで設置されています。AEDの導入には、買い取る場合とレンタルする方法があるようです。本体の価格だけでなく、維持費も考慮して検討しなければなりません。価格帯による機能の違いや、どのような費用が追加でかかるか紹介します。
AEDの価格相場
買い取る方法とレンタルする方法では、どの程度価格が異なるのでしょうか。レンタルは一般的に消耗品など、本体以外にかかる費用も含まれていることが多いようです。
買取り
買取りの場合は、メーカーなどによって本体だけで20~40万円程度かかります。保証期間は5年間、耐用年数は7年程度が一般的です。本体以外に約2年ごとに、心電図を測定するための電極パッドとリチウムバッテリーの購入が必要となります。
レンタル
レンタル期間や商品によって料金体系は異なりますが、月額4,500~6,000円が相場となっています。5年間契約が基本で、その後延長する形が多いでしょう。また、一般的に消耗品などの諸経費も、レンタル料に含まれていることがほとんどです。
買取りは初期費用が高くつきますが、維持費は消耗品のみを定期的に購入するのみで問題ありません。一方レンタルの場合は初期費用を抑えられますが、長期的に見た場合は買取りよりもコストがかかってしまいます。
ただしレンタルには短期と長期があるので、イベント期間のみ1週間だけ利用したい場合、1年間だけお試しで使用したいといった場合は、レンタルを選ぶとよいでしょう。
AEDの価格による機能の違い
価格によってどのように機能が違ってくるのかを確認しましょう。
セルフテスト機能
AEDが使用できる状態にあるかどうかをセルフテストする機能で、結果は目に見えるようになっています。また、異常がある場合にアラームで知らせてくれるようです。使用可能であることを毎日確認して、要確認のインジケータが表示されている場合にはメーカーに連絡しましょう。
メモリ機能
使用時の心電図の波形やインシデント記録など、救助データを保存する機能です。日々のセルフテストの結果も一定日数保存します。
成人・小児切り替え機能
切り替え機能がついているかいないかで価格に差がでますが、できればこの機能が搭載されているものを選ぶことをおすすめします。切り替えの対象となるのは、未就学児への使用が想定されるケースです。スイッチを切り替えるだけで同じパッドを成人にも小児にも使用できます。
液晶画面の有無
液晶画面があれば、音が聞こえない場合も操作可能です。耳の不自由な人も安心して使うことができ、交通量の多い場所や工事現場などでも画面の指示に従うことでスムーズに操作できます。そのほかにも防水・防塵加工の有無、キャリングケースつきかどうかでも価格は変動するようです。
ランニングコストについて
メーカーや機種を問わず、電極パッドとバッテリーは必ず交換しなければいけない消耗品です。一般的に電極パッドは約2年、バッテリーは約4年で交換しなければなりません。5年間一度もAEDを使用しなかった場合でも、交換部品の費用として5~10万円程度はかかります。
電極パッドには両用と成人用、小児用があります。成人用と小児用で電極パッドを変えて使用するモデルの場合、それぞれ交換の費用がかかります。電極パッドとバッテリーで有効期限が異なる場合もあるので、メンテナンスの手間を省くために同時に交換できるタイプを選択しておくとよいでしょう
その他の費用
AEDを購入する際にあると便利な備品について、種類や機能性、価格を解説しましょう。
収納ケース
収納ケースには複数のタイプがあり、公共施設などで見かけるのは自立式ケースでしょう。1m程度の高さのボックスで、価格は10~20万円と幅があります。AED以外にも、防災備品や消火器を収納しておくスペースがあるものが一般的です。
しかし、収納スペースがなく、壁に掛けるタイプのものもあります。価格は4~7万円程度で、壁に穴を開けて設置するため材質によってはできない場所もあるでしょう。どちらのタイプも扉を開けると大きな音が鳴り、周囲の注意をひく構造になっています。
壁掛けフォルダ
それほどまだ普及していませんが、収納ケースよりも手軽に設置するためのフォルダで、価格は2万円程度です。スペースが限られている場合などに便利に使えるでしょう。
レスキューセット
衣類を切断するためのはさみやマウスピース、手袋、不織布などがセットになっており、AEDを使用する際に役立つ道具が収納されています。3,000~4,000円程度なので、付属品としてついてない場合には購入しましょう。
トレーナー
講習会などで使用する使い方を説明する際の機器です。AEDは実際に心停止した人でしか機能しないため、どのような流れで使うかを確認するために必要となります。
そのほかにもAEDを設置しているということを表示するステッカーやマグネット、訓練用の人体模型などもあります。
価格によって機能がさまざまなので、設置する場所の規模や予算などに合わせて最適なものを選びましょう。付属品も必要に応じて揃えておくと、まさかの時に適切な対応が可能です。