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AEDを使用する際は胸骨圧迫も必要!胸骨圧迫の方法について

公開日:2021/06/01   最終更新日:2021/06/23


正しい胸骨圧迫の方法をご存じでしょうか?AEDは使用する際に音声ガイダンスが付いていますが、AEDを使用したらそこで救命活動が終わるわけではありません、必ず胸骨圧迫を併用する必要があります。この記事では、AEDを使用する際の胸骨圧迫の方法について紹介しましょう。この機会に正しい方法を覚えて、有事の際に備えておいてください。

手の組み方と置く位置

胸骨圧迫を効果的に進めるためにも、手の組み方と置く位置が決まっています。どんな風に手を組み、どこに手を置けばよいのか?順を追って解説しましょう。

手の組み方について

手を組む時は、手の平の付け根と手の平の付け根を重ねて組みます。この時、左右どちらの手を上にするのか?と気になる人もいますが、どちらでも構いません。一般的には「利き腕を上にした方が圧迫しやすい」といわれているので、右利きなら右を上に、左利きなら左を上にするとよいでしょう。

手を置く位置について

手を置く位置ですが、胸骨圧迫する際は「胸骨の下半分」に置きましょう。そこに手の付け根のみを置きます。この時、手の平は浮かせるようにし、胸骨を圧迫しないよう気をつけてください。手の平全体で圧迫してしまうと、肋骨の損傷につながる危険性があるからです。

胸骨圧迫時の姿勢と方法

次に、胸骨圧迫時の姿勢と方法について紹介します。

「まず、胸骨圧迫する時は手の付け根の上に肩が来るようにして、肘を伸ばした状態で垂直に真っすぐ押す。」

これさえ覚えておけば、問題ありません。よくAEDの講習では肘が曲がっていたり、手の付け根の上に肩が来ていなかったりする受講生が散見されます。しかし、講師が正しい姿勢のアドバイスをするだけで上手くなることが多いので、不安があるという場合は姿勢を意識してください。

いつまで胸骨圧迫すればいいの?

倒れた傷病者が動き出すまで、もしくは「到着した救急隊に引き継ぐまで」です。具体的には、AEDの指示に従う形になりますが、約2分置きにAEDと胸骨圧迫を繰り返してください。また、AEDのパッドは救急隊が到着するまで貼り付けたままで、電源も落としてはいけません。

「電気ショックは不要です」といわれたら?

AEDによる自動解析の結果、「電気ショックは不要です」と音声ガイダンスが流れることがあります。これは一見すると心臓が再鼓動を始めて回復したように聞こえますが、そうではない場合もあるのです。手足が動くなど傷病者が何らかの反応をした場合は、AEDのパッドを貼り付けたまま救急隊が到着するまで待機し、反応がない場合は必ず胸骨圧迫をしてください。

胸骨圧迫の深さ

姿勢と方法だけでなく、胸骨圧迫する際は深さも気にしなくてはいけません。正しい方法を知らないと救命につながらないので、しっかりと覚えておきましょう。

正しい胸骨圧迫の深さは?

成人なら、5~6cmの深さで圧迫することが推奨されています。AHAガイドラインでは、2015年以降に「6cm以上の圧迫はNG」と追記されましたが、実際には6cm以上圧迫すること自体が難しいでしょう。

また「6cm以上圧迫してはいけない」と意識し過ぎると力が弱くなり、5cm以下の圧迫になってしまいかねません。そのため「5cm以上は圧迫しよう」と意識して胸骨圧迫することをおすすめします。

胸骨圧迫した後どうする?

忘れてはいけないのが、胸骨圧迫した後の処置です。胸骨圧迫では1回につき5~6cm圧迫しますが、1回圧迫するごとに胸郭を100%元の位置に戻すようにしてください。なぜなら胸骨圧迫とは、停止した心臓の代わりに血液を手動で全身に送る目的の行動だからです。この際に絶えず圧迫し続けていると、充分な量の血液が全身に行きわたりません。そのため胸骨圧迫を行う際は、1回圧迫するごとに胸郭を100%元の位置に戻すようにしましょう。

胸骨圧迫の速さについて

「1分間に100~120回」が正しい回数です。もともとは「1分間に100回以上」が基準でしたが、2013年6月25日からこの回数に変更されました。圧迫速度を速めることで再鼓動率や神経機能の向上につながるとされてきましたが、あまりに速過ぎると胸郭を100%戻せなかったり深さが足りなくなったりしてしまうのです。そのため、「1分間に100~120回」と上限が決められています。

質の高い胸骨圧迫をマスターするなら?

頭で覚えていても、いざ目の前で人が倒れていた時、とっさに動ける人は決して多くありません。いつ胸骨圧迫することになっても困らないように、DVDを見ながら練習用の人体模型を使って定期的にトレーニングすることが重要です。メーカーによっては、正しい位置に手を置いて胸骨マッサージをすると、「カチッ」と音が出て知らせてくれる人体模型を扱っているところもあります。また、何年かに1回のペースでよいので、救命講座を受けるのもよいでしょう。

ここまでAEDの使用をする際は胸骨圧迫も必要なこと、胸骨圧迫の方法について、詳しく紹介してきました。ただやみくもに胸骨圧迫をするのではなく、決まった方法や速さ、深さで行わなくては救命につながりません。一般人が正しい知識・技術を身につけ、維持するのは極めて難しいことですが、いざという時に大切な人を助けるためにも習得しておくとよいでしょう。

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