AEDは購入したほうがいい?リース・レンタルとの違いは
日ごろ、よく目にするようになったAED。駅や商業施設、イベント会場など、さまざまな場所に設置されています。なかにはご自身での設置をお考えの方も増えてきているのではないでしょうか。AED設置にあたってはいくつかのポイント、契約方法を把握しておく必要があります。スムーズに設置できるよう、前もって確認しておきましょう。
もくじ
AEDを購入するときのポイント
AED購入時に確認しておくべきポイントはいくつかあります。設置後に困ることのないよう、細部にわたっての確認しておきましょう。
■設置場所を考える
AEDは設置場所が屋外なのか、屋内なのかによって選べる機種が変わってきます。設置場所を決定してから機種選び、そのほかの確認へと進めていきましょう。
■初期費用、維持費用の確認
AED購入を検討する際は、初期費用と維持費用を把握しましょう。まず、本体のほか、電極パッドやバッテリーなどの消耗品が初期費用に含まれているか否かを確認します。販売会社によっては消耗品が別売りとなっている場合もあるからです。
また、消耗品は交換が必要になるので、その際の費用が含まれているかどうかも確認しておきましょう。そのほか、アクセサリー(ケース、人工呼吸用のマスクなど)が含まれているかどうかも確認が必要です。これらを把握したうえで、販売会社に見積もりを依頼するとよいでしょう。
■使いやすさの重要性
AEDは使いやすさも重要です。AEDを使用するということは緊急事態が発生しているということ。平常心ではいられないことが容易に想像できます。そのような場面でもスムーズに使えることが必要になるからです。
たとえば、パネル表示が見やすいか、ガイダンスの音声が聞き取りやすいかなどです。また、工事現場や工場など大きな音がする場所では、ガイダンスの音声が聞き取りにくい可能性があります。そのような場所に設置する場合は、特にパネル表示の見やすさが重要になるでしょう。
AED購入とリース・レンタルの違い
AEDを設置する際には、3つの契約方法があります。購入、リース、レンタルです。それぞれの特徴を把握したうえで契約方法を決定しましょう。
■AEDを「購入」する
文字通り、AEDを購入して設置します。メーカーや代理店で購入できますが、最近では大型家電販売店で扱っている店舗も出てきました。大手通販サイトでの購入も可能です。しかし、購入後に問い合わせが必要になった場合、通販での購入には問い合わせ先を確認する手間が出てくることを考えに入れておきましょう。
そして、AED設置後は定期的なメンテナンスも必要です。点検や消耗品の交換などを購入者側で行わなければなりません。責任を持って管理できる担当者を置くことが望ましいでしょう。
ただし、契約内容によっては購入契約にメンテナンスが含まれている場合があるので、確認しておくことが重要です。費用に関しては、当然ですが初期費用は大きくなり、耐用年数ごとの買い替えも必要となります。
さらに、消耗品の補充における追加料金も考えに入れなくてはならないでしょう。しかし、リースやレンタルのように月々の賃料は発生しないので、設置年数によってはほかの契約方法より総額が抑えられる可能性もあります。
■AEDを「リース」する
リースは、販売店と契約者の間にリース会社が入ります。契約者が機種を決め、リース会社が販売会社から商品を購入。契約者は、月々の賃料を支払いリース会社から商品を借りるという仕組みです。リース会社がその都度購入するので、新品が手元に届きます。契約はリース会社と契約者間で交わされ、所有権はリース会社となります。
最近ではさまざまなサービスが付いたリース契約があるため、検討する際にはサービス内容をしっかり確認しましょう。特に消耗品の交換は追加購入となるのか、メンテナンスは含まれているのか、その範囲はどこまでなのか、といった点は重要です。
そして、AEDリース契約の大きなメリットは動産保険が付くこと。天災や盗難による損害があった場合に補償してくれるものです。ただし動産保険の補償範囲はリース会社によって異なるため、確認が必要でしょう。
また、リース契約にあたり与信審査があることを頭に入れておくべきです。クレジットカードを作る際の審査のようなものといえばわかりやすいでしょう。企業の利益、借り入れ状態などを元に審査されます。その基準についてはリース会社ごとに異なり、公表されていないのが通常です。
料金に関しては、初期費用は抑えられますが月々のリース料が発生します。リース会社が購入した商品の金額に手数料などが上乗せされた料金です。また、リース契約は中途解約不可能な場合が多く、中途解約の際は違約金が発生することもあるので注意しましょう。
■AEDを「レンタル」する
レンタルは、月々の賃料を支払いレンタル会社から直接AEDを借りる契約です。リースの場合は機種を指定することが可能ですが、レンタルの場合はレンタル会社が指定する機種のなかから選択することになり、中古のAEDの場合もあります。消耗品の補充やメンテナンスなどの諸費用も含まれている場合がほとんどですが、その内容は契約ごとに異なります。きちんと確認をしておきましょう。
レンタルの場合、リースのように動産保険が付いているわけではありませんが、様々な補償を用意しているレンタル会社もありますので、確認してみましょう。レンタル期間については、メーカーの補償期間に準じて5年としているものから、AEDの耐用年数に合わせて8年としているものがあります。
また、イベント等で設置する際には1日〜数ヶ月単位の短期でのレンタルが可能な場合も。契約内容はレンタル会社によって大きな幅があるため、きちんと内容を把握したうえで契約を結びましょう。初期費用が抑えられ、月々の支払いが発生する点はリースと同様です。しかし、レンタルには消耗品の補充やメンテナンスも契約に含まれていることがほとんどなので、月々の支払い金額の目安はつけやすいといえます。
AEDの購入には補助金が使える
AEDを設置したい気持ちはあるものの、購入にかかる費用の捻出に悩んでいる方も多いかもしれません。その際には、補助金・助成金の利用を考えてみてはいかがでしょうか。おもに自治体が運営しており、自治会、保育園や幼稚園などが補助対象となります。
補助を受けるには条件をクリアしている必要があり、その内容は自治体によって決められています。補助を受けられる金額は、初期費用の1/2程度のケースが多く、場合によっては全額が補助されることもあります。
また、財団が運営する補助金もあり、こちらはスポーツ団体、中小企業などが対象です。それぞれに細かい条件がありますので、まずは各地域の自治体に問い合せてみることをおすすめします。
AEDは、人の命に関わる大切な装置です。しかし、決して安価なものではありません。設置場所、設置期間、予算、補償内容など、ご自身の希望に合った内容で正しく設置ができるよう、販売店、リース会社、レンタル会社の契約内容を把握し、さまざまな角度から検討を進めていきましょう。