オートショックAEDとはどんなもの?メリットや注意点をご紹介!
オートショックAEDは国内ではあまりメジャーでないものの、多くの国で拡充しているAED機器です。ボタン操作を省くことで救命率アップや救助する側の心理的負担軽減を目指しており、国内でも今後設置が広がっていくことが予想されます。当記事ではオートショックAEDの詳細や操作時の注意ポイントについて解説するため、ぜひ参考にしてください。
もくじ
オートショックAEDとは
オートショックAEDについて解説します。
オートショックAEDは操作を省いたAED
オートショックAEDは、電気ショックの必要性が認められた場合に、機械が自動で電気ショックを行うものです。これまでのAEDのようにボタンを押して電気ショックを実施する必要がないため、オートショックAEDには通電を通知するためのアイコンのみが備え付けられており、ボタンなどはありません。日本では今後導入が進むという段階であるため実際に設置されている場所は非常に少ないものの、外国では国内にあるAEDの50%以上がオートショックAEDである国もあり、世界各国で普及が進んでいると言えます。
通常のAEDとの違い
通常のAEDとオートショックAEDの違いは、電気ショックが機械によって自動で実施されるかどうかという点にあります。通常のAEDの場合、心電図の解析結果によって電気ショックが必要とされると、体から離れて点滅している電気ショックボタンを押すよう音声の指示が流れ、救助する人がボタンを押さなければならないのが特徴です。しかし、オートショックAEDでは、3秒間のカウントダウンの後に自動で電気ショックが実施されます。ボタンを押すという作業をなくすことで、救助する人のメンタル面での負担を緩和することが可能です。
オートショックAEDを導入するメリット
オートショックAEDの導入メリットは、以下の2つです。
操作ミスをなくすことが可能
通常のAEDは、電気ショックを実施するためにボタンを押さなければなりません。「ボタンを押すだけの単純な作業を間違えることはない」と考える人も多いですが、緊急時には、判断が鈍るケースも少なくありません。人の命に関わる場面に出くわすと、焦りや緊張感からパニック状態に陥ってしまう人もいるでしょう。
実際、一般の人がAEDを利用して救助を行ったケースにおいて、電気ショックの実施ボタンを押すことを躊躇したことによって処置が遅れてしまう、誤ってAEDの電源を切ってしまう・AEDを取り外してしまうといった操作ミスが発生した例もあります。オートショックAEDでは救助する人が機械を操作する必要がないことから、処置が遅れる心配不要となります。
救助する人の負担・ストレスを軽減することが可能
先述の通り、通常のAEDでは救助する人による操作ミスなどが発生する可能性も否定できません。たとえミスが起きなかったとしても「本当に正しく操作できたのか」と不安に思う人も少なくないでしょう。
不安感や自責の念から体調不良・うつ状態へと発展するケースもあり、救助する側のメンタル面のケアも重視されています。オートショックAEDはボタン操作がなくパッドを取り付けるのみで電気ショックを実施できるため、救助する人の心理的な不安やストレスの軽減も期待できるでしょう。
オートショックAEDを使用するときの注意点
実際に患者に対してオートショックAEDを使用する際には、いくつかの注意すべきポイントがあります。ここでは、オートショックAED使用時の注意点を3つご紹介します。
使用するAEDの種類を確認する
オートショックAEDを使用する際は、ロゴシールを確認するなどして通常のAEDと間違えないよう注意しましょう。救助する人にオートショックAEDを渡す際には、誤操作を防ぐためにもAEDの種類を明確に伝えることが重要となります。
音声ガイダンスをよく聞いて指示に従う
オートショックAEDを使用する際には、音声ガイダンスを聞き漏らさないよう注意して操作しましょう。オートショックAEDのロゴシールやショックアイコンを押すというミスは特に起こりやすいため、十分に確認しながら操作することが重要です。
電気ショック実施時には患者から十分な距離をとる
オートショックAEDではボタン操作の必要がないため、音声ガイダンスを聞き逃すと、患者から離れることを忘れて感電や事故が発生する可能性もあります。電気ショックの実施前には3秒間のカウントダウンがありますが、周囲の騒音などで音声ガイダンスが聞き取りにくい場合には、AED本体のパネル案内に従って操作してください。また、電気ショック実施の際はショックアイコンの光が点滅する仕組みであるため、点滅中は患者から十分に距離をとることを覚えておきましょう。
まとめ
今回は、オートショックAEDの概要や通常のAEDとの違い、導入メリットなどについて詳しく解説しました。オートショックAEDはボタン操作のないAEDであり、パッドの取り付けのみで自動で電気ショックを実施することが可能です。ボタン操作をなくすことで操作ミスを防ぐだけでなく、救助する人の心理的負担やストレスを軽減することにもつながります。
オートショックAEDを正しく安全に使用するためには、使用するAEDがオートショックAEDであることを必ず確認し、音声ガイダンスをよく聞いて指示に従いましょう。また、電気ショック実施時の感電を防止するため、音声ガイダンスやパネル案内に沿って患者から距離をとることが重要です。緊急時に慌てず対応できるよう、今回の記事を参考にしてみてください。