AEDの導入方法は?レンタルやリースで比較すべきポイントも紹介
近年では公共施設などだけではなく、AEDを導入している会社も増えています。そんな時、どういった形で導入を進めるべきなのか悩む会社も多いでしょう。ここでは、AEDの導入方法はもちろん、レンタルやリースで比較すべきポイントも紹介します。
AEDの導入方法
ここでは、購入、レンタル、リースの3つの方法をご紹介していきます。
購入
購入の場合は、購入者が機種を選び新品のAEDを設置できるというメリットがあります。多くの機種で保証期間を設けているので、その間は万が一不具合などがあった場合でも機器交換などの対応をしてもらえることが多いです。
一方で、電極パッドや、駆動源であるリチウム電池などは消耗品のため交換する必要があり、その手配は全て購入者がおこなわなければいけません。また、設置や利用についてのサポートも購入会社によってついていない場合もあるので、購入前にそういった部分の確認をする必要があるでしょう。
レンタル
レンタルの場合は、月々レンタル業者に費用を支払いAEDを設置してもらう方法です。レンタルの場合は新品ではなく中古品の場合もあり、機種はレンタル業者が提供している固定のものになることが多いです。
消耗品の手配や利用のサポートについてはレンタル業者でおこなってくれるため、細かい管理をする必要がありません。レンタル業者の場合は修理が必要な場合レンタル料に修理費も含まれている場合もありますが、業者によってはレンタルしている側が仕払う場合もあるようです。
リース
リースもレンタルと同じくAEDを扱う業者から月々の支払いをして借りるというシステムですが、レンタルと違うのは新品であることです。また、動産保険に加入しているため、盗難など万が一の際には保険が適応されます。
また、リースでは販売会社がメンテナンス付き商品で提供している場合が多いので、そういった不安を感じにくいというのもメリットです。
絶対にどの方法がおすすめというわけではありませんが、とくに初めてAEDを導入するのであれば、しっかりとしたサポートや消耗品の手配をしてくれるレンタルやリースがおすすめです。
AEDのレンタルとリースの比較点、違い
AEDのレンタルやリースを活用していきたいと思ったときに、どのような点に注目して比較していくべきなのでしょうか。また違いはどのような点があげられるのでしょうか。
ここではAEDのレンタルとリースの比較点と違いについて見てきます。
■AEDのレンタルやリースで比較すべきポイント
AEDをレンタル、リースする際に比較すべきポイントは大きくわけて2つあります。1つは契約期間です。
レンタルやリースには契約期間があり、一般的には5年契約が多いですが、7年、8年契約なども行っている会社があります。契約期間が長くなればなるほど、1か月の支払い額は少なくなり、更新回数も削減できるため、費用や手間が少なく済みます。
そのため、同じ金額のAEDであってもひとつのAED本体での契約期間が長い方がお得に利用できる傾向にあるのです。そのため、AEDのレンタルやリースをする際には、何年契約があるのか、月々の支払いはどれほどなのかなどをしっかりと確認し、比較していくことが大切です。
2つ目は、初期費用です。AEDのレンタルやリースで1か月ごとの支払いとなったときに、毎月の支払い額だけではなく、契約金や保証金などの初期費用はどうなっているのかという点もしっかりと確認することが大切です。
たとえば毎月の支払い額はA社の方が安かったとしても、初期費用が多くかかってしまったことでB社よりも総額が高くなってしまったということもあり得ます。そのため、複数社への見積もりをとる際には、月額だけではなく、初期費用はどうなっているのか、必要であれば、どれほどの費用なのかも問い合わせを行いましょう。
そして初期費用と月額を含めた総額で複数社の見積もりを比較するとよいでしょう。
■AEDレンタルとリースの違い
AEDのレンタルとリースでの違いを見ていきましょう。上記でもいくつか触れてきましたが、レンタルの場合には消耗品などの諸経費もすべて含まれた金額が月額となっていることが多いです。
細かな付帯サービスや契約内容は会社によって異なりますが、消耗品は期限になれば送られてくることや、数か月に一度の点検などを行ってくれるサービスなどもあります。また、天災や盗難時などの万が一のときの補償を付けられることも多く、契約内容のバリエーションが豊富であるという傾向にあります。
一方、リースは万が一のときの天災や盗難に関する補償がもともと含まれた月額となっていることが多く、月額に関しては商品の購入金額を最初にお客さんが決めたうえで、リース会社のリース料率を加えて月額が決定されていきます。そのほかの付帯サービスは用意されている会社であれば、追加することもできる仕組みになっています。
そのため、月額費用にどのサービスが付与されていたら便利なのか、利用しやすいのかによってもレンタルにするのか、リースにするのかの検討材料となります。費用面に関しては、レンタルの方が予算は立てやすいといえますが、経費処理に関してはどちらも簡単であるといえます。
レンタルもリースも月額費用に付与されているサービスを確認し、そのうえで付帯サービスにはどのようなものがあるのか、費用はいくらなのかをチェックし、より自身にあったAEDの導入方法を選択していくとよいでしょう。
AEDの導入費用
AEDを購入する場合は 20万~40万円程度、レンタルやリースであれば月額5,000~6,000円程度というのが導入費用のおおよその目安となります。毎月定額を払い続けるのであれば、初期費用をかけて購入したほうがお得だと感じる方もいるかもしれませんが、注意すべきは耐用年数です。
AED本体の耐用年数は長くても8年であり、購入の場合、8年ごとに買い替えなくてはなりません。そのため、8年間を目安に、購入とレンタル・リースのどちらがお得かを考えたほうが良いでしょう。会社によっては、契約金や保証金などの初期費用がかかる場合もありますので、それらも含めた金額で比較することが大切です。
また、電極パッドやバッテリーのような消耗品は定期的に交換する必要があります。購入の場合は消耗品に関してもその都度購入しなければなりませんが、レンタルやリースの場合、そのような追加費用はかからないケースが多くなっています。
加えて、保証期間についても考慮しておきたいところです。購入の場合、保証期間内の不具合であれば問題ありませんが、保証期間を過ぎていると修理ではなく買い替えとなるため、余計なコストがかかってしまいます。その点から考えると、 AED本体の耐用年数と同じ8年間の保証が付いていると安心です。
- 導入には、購入・レンタル・リースの3種類がある
- リースの場合は購入同様新品を利用できる
- 契約期間や初期費用を含めた総額を比較することがポイント
- レンタルとリースは月額に含まれているサービス内容が異なる
- サポートや消耗品の手配をしてくれるレンタルやリースがおすすめ
AEDのランニングコスト
AEDの導入費用については上記で説明した通り、おわかりいただけたかと思います。しかし、導入費用だけでなく今後かかってくる費用についても知っておきたいですよね。
そこでランニングコストについても紹介していきますAEDのランニングコストには、大きく分けて電極パッド交換とバッテリー交換が挙げられます。
基本的にはこの2点がランニングコストとして上げられるものになるので、それぞれのおおよその費用について確認しておきましょう。
電極パッド
一般的には電極パッドの交換時期は約2年と言われています。また、電極パッドの価格相場は、1万円で使い捨てです。
使用後に新しい電極パッドを注文すると、届くまでの間の非常事態に備えられません。そのため、万が一に備えるためにも予備でもう1つ持っておくと便利です。
バッテリー
一般的にはバッテリーの交換時期の目安は約4年と言われています。リチウム電池のタイプが多いため、バッテリーが切れたら新品と交換する必要があります。
バッテリーは寿命によって相場が異なります。目安としては、「2年で2万円」「4年で4万円」です。AED本体の寿命は5年~7年の物が多いです。
維持費をおさえるならレンタル!長期設置なら購入がおすすめ!
ランニングコストを抑えるには、レンタルがおすすめです。レンタルならば、月々の支払いに維持費も含まれます。
つまり、「レンタルはランニングコストの心配がない」といえます。ただし長期にわたってAEDを設置する場合は、購入したほうが安くなる可能性が高いと言えます。維持費だけではなく、トータルコストからAEDの設置方法を考えましょう。
- 導入後に費用が発生するものは電極パッドとバッテリー
- 導入同様、レンタルがおすすめ
AEDの助成金制度
AEDには購入費・維持費ともにそれなりのコストがかかります。どうしても値段が高くなってしまうことから、AEDの導入に悩んでいる方も多くいることでしょう。
そこで、ご紹介したいのがAEDの助成金制度です。こちらは、各地域の自治体がAEDの購入費を負担するという制度です。対象は主に幼稚園や商店街、企業などの組織や団体となっています。
例えば、東京都大田区ではAEDの導入に対して、購入費用の約1/2の金額を負担しております。AEDの導入には数十万円以上かかることも珍しくないので、助成金制度を利用することをおすすめします。
しかし、ここで気を付けていただきたいのが、自治体によって補助金額が異なるという点です。先ほど金額例を挙げましたが、こちらは大田区の場合の話です。助成金制度の申請を考えている方は、必ず最寄りの自治体へ問い合わせをしてから、導入するか判断しましょう。
多くの場合、自治体に申請すれば半額程度の補助は受けられると言われていますが、宝くじ財団やあんしん財団や日本スポーツ振興センターは枠が少ないとされています。そしてAEDの助成金・補助金を受けるには募集開始と同時に申し込んだ方が良いでしょう。
申請順の場合が多い為、「募集規模」「開始・終了時期」「提出書類」はしっかり確認しておきましょう。見積書や事業計画書も、必要となる可能性もあるので注意が必要です。
そして補助を受けるには条件があり、主に「補助を受ける団体の中にAEDの使用方法についての講習を受けた人物がいる」「AEDが正常に作動することを毎日確認できる体制が整っている」ことを条件にしている自治体が多いようです。他にも「24時間誰でも使えるようにする」「AEDを設置する建物の管理者から許可を得ている」「定められた一定期間の設置義務を果たすことができる」という条件の自治体もあります。
対象は主に幼稚園や商店街、企業などの組織ということは述べましたがもう少し詳しく見てみましょう。自治会、商店街、保育園、幼稚園などは自治体による補助金・助成金の対象となる可能性があります。
条件については申請する自治体によって異なるので確認しておきましょう。どれも人が多く集まることが予想される組織なのでAEDの必要性も高いでしょう。
スポーツ団体、中小企業、自主防衛組織については財団法人、行政法人などの団体が支給する補助金を受けられる可能性があります。条件や補助金額は団体により異なりますが高額の補助が受けられる可能性があり、条件等をしっかり確認する必要があります。
また購入ではなくレンタルでも補助対象になるのでしょうか。イベントなどで1日のみや、期間を限定してAEDをレンタルしたいと考えている方も多いのではないでしょうか。
そんなレンタルの際の補助金・助成金についてですが、基本的に補助金を受けることができるのは購入する場合のみとなっています。ですが自治体によってはAEDの無償レンタルを行っているところもあるので確認してみましょう。
また自治体から支給される補助金は設置費用の1/2が補助されるケースが平均的とされています。上限は10万~20万円程度とされていることが多く、自治体によっては2分の3の補助が受けられるところもあります。
自治体以外の団体が支給する補助金の場合は団体により大きく異なっています。中には上限1000万円とするものや、市町村が認める自主防災組織に対して30~200万円の補助を受けられるものもあります。
自治体が運営するものは市町村レベルのもので、自治体以外の団体のものは全国対応となることが特徴でしょう。
助成金制度の申請には様々な書類・資格が必要です。こちらも事前に調べてから自治体へ足を運んでください。